[理事:研究]大鹿 哲郎(筑波大学 教授)
日本角膜学会の理事(研究)を拝命いたしました。
本邦における角膜・眼表面研究は、基礎研究・臨床研究のいずれにおいても、世界のトップレベルにあります。これは、何代にもわたる諸先輩方のご努力の賜であり、本学会のアカデミックな土壌がその発展に少なからず寄与してきたものと考えます。
研究レベルの向上・維持において、個別の施設による努力も重要ですが、大規模データの利活用がより求められるようになっている現在、多施設スタディの重要性が増しています。日本角膜学会では、角膜写真の人工知能(artificial intelligence,AI)解析、角膜移植全国調査、マイボーム腺機能不全診療ガイドライン、TS-1多施設スタディ、コンタクトレンズによる重篤眼合併症合同調査など、学会主導の研究プロジェクトを手掛けてきました。学会予算から研究費を拠出し、最大限のサポートを行うものです。角膜学会主導の多施設研究プロジェクトによって、日本から世界に向けて発信した情報もこれまでに数多くあります。今後もこの努力を続けることによって、世界最大の角膜専門家集団の実力をいかんなく生かしていきたいと思います。
[理事:学術]榛村 重人(藤田医科大学 教授)
日本角膜学会の学術担当理事を拝命いたしました。
私は、日本角膜学会の国際化を進めたいと思います。角膜学会ではすでに国際的に活躍する会員が大勢いますが、残念ながらコロナ禍によってその活動は中断してしまいました。コロナ以前は、Association for Research in Vision and Ophthalmology (ARVO)や Gordon Conferenceの学術会議では米国に続く人数が日本から参加していました。しかし、2023年3月に開催されたAsia-Pacific Academy of Ophthalmology (APAO)は、アジアの学会でありながら、日本からの参加者は非常に少ない印象でした。この状況を打開するためには、日本角膜学会として海外研究者との交流を活性化したいと考えています。また、若手医師にも国際的に活動する伝統がしっかり引き継がれるようにしなければなりません。そのため、国内においても海外の先生と交流する場を提供し、海外の学会で発表する機会を支援したいと思います。
[理事:記録・HP]臼井 智彦(国際医療福祉大学 眼科主任教授)
この度日本角膜学会の理事(記録・HP)を拝命しました。「記録・HP」ということですが、「記録」の方は何をすれば良いのか、前任で現理事長の山上聡先生に伺ったところ、「よくわからない」というお返事でしたので、事実上「H P」の担当理事ということになろうかと思います。昨今様々な団体におけるHPの重要性は論を待たず、日本角膜学会においても情報発信源の一つとして、重要な位置付けだと思います。現在までも日本角膜学会のHPは、会員向け、一般向けともにそれぞれのニーズに応じた情報発信を行ってきたと思います。今後はアップデートの頻度を上げること、各種登録作業や評議員選挙をHPから行えるようにすること、さらにEnglish pageの充実を図っていきたいと思います。また、何をすればよいかよくわからない「記録」ですが、日本角膜学会の足跡をしっかりと残していくこと、と私なりに解釈しました。そういった意味においても、記録に関してHPを十分に活用したいと思っています。理事や評議員の先生方、会員の皆様のお力を借り、より良いHPにしていきたいと思っておりますので、どうぞご指導のほどよろしくお願い申し上げます。
〔理事:編集〕天野 史郎(井上眼科病院 副院長)
日本角膜学会の理事を二期続けて務めさせていただくことになった天野です。私が角膜学会に入会したのは眼科医になって3年目の頃で、それから30年余りが経ちました。自分が所属する主たる学会として長年にわたり角膜学会に携わり、大変愛着のある学会です。偉大な先輩らのおかげで、角膜学会はいつも自由闊達な雰囲気があると思います。この自由闊達な伝統を保ち、角膜学会が更に発展できるように努力したいと思います。
角膜学会の活動内容としては、学術集会や講習会の開催、年次報告書の発行、学術奨励賞の選考などと並んで、角膜研究のサポートがあります。私がこの2年間携わってきたマイボーム腺機能不全診療ガイドラインの作成にあたっても、日本角膜学会から研究費のサポートをしていただき、2023年2月に日本眼科学会雑誌に発表することができました。さらに英語版も近々発表される予定です。私の理事としての担当は編集ということで、学会員の皆様にお送りする年次報告書の編集が主な仕事となります。学会員の皆様のお役に立つ年次報告書の編集に努めたいと思います。どうぞよろしくお願い致します。
[理事:会計]前田 直之(湖崎眼科 副院長)
この度、日本角膜学会の理事(会計)を担当させていただくことになりました。どうかよろしくお願い申し上げます。
角膜カンファランスに参加して毎回思うのは、会員同士の仲が良く、自由闊達な雰囲気の中で建設的な意見交換が口演でもポスターでも交わされていることです。このような場がコロナ禍で減少したのは残念ですので、一刻も早く元に戻す必要があると思います。
また、日本における角膜の臨床と研究のレベルは高く、世界的にもっと評価されても良い気がします。そのためには、個々の会員が国際的に活躍することが重要ですが、最近は会員の海外の学会への参加や留学の機会がむしろ減っているように思えて危惧しております。
コロナ禍で学会への現地参加が制限されているだけでなく、診療や研究に関しても制限が課されて、それに伴って臨床や研究を予定どおり進捗させることが難しかったのではないかと想像しますが、ポストコロナのスタートで出遅れるのはなんとしても避けたいところです。
次世代の活躍なくして日本の角膜の臨床と研究の未来はありません。日本角膜学会が予算をなんとかやりくりすることで若手会員をサポートし、角膜カンファランスがさらに発展し、日本から素晴らしい研究を世界にアピールできればと願っております。