採血方法
鎖骨下静脈からの採血方法
図1のように、鎖骨上部から胸骨に向かい、約30度の角度で注射針を刺入し、鎖骨下静脈から採血を行う。
この方法は、特に剖検を行う場合に適している。
(20mlシリンジ、18G注射針使用)
心臓からの採血方法
図2のように、左胸の第4助間に注射針を刺入し、心臓採血を行う。
一度で採血できない場合は、心臓壁にあたるまで、針先に位置を変えて行う。
(20mlシリンジ、19G、90mmスパイナル針使用)
眼球摘出方法
- 眼瞼を消毒後、開瞼器を挿入する
- 角膜周辺の結膜を除去する
- 下組織から結膜を剥離する
- 上直筋、内直筋、下直筋を確認後、切除する
- 外直筋を確認後、鉗子または糸で保持した後、切断する
- 外から視神経剪刃を挿入し、視神経を切除する
- 眼球を持ち上げ、その他の組織、下斜筋、上斜筋を切除する
- 眼球を眼球固定器に固定し、視神経をピンで止め、容器に入れる
強角膜切片作成方法
1.眼球を保存瓶から取り出す。
強角膜切片作成キットに有鉤鑷子を用意してホルダーごと取り出して、洗浄後、もう一本で眼球を固定しているピンを外し充分洗浄する。
2.眼球をクリーンベンチ内の滅菌ガーゼ上に置く。右利きの場合はガーゼの右端に置き、左利きの場合は左に置いてから、眼球の1/3程度が見えるように巻く。眼球の赤道部にある程度の圧がかかり、巻き上げた時にガーゼが円柱状になるようにする。
3.巻き上げた眼球をあらためて洗浄する。ガーゼがある程度の湿気を含み、手を放しても立つようにする。ただし、洗浄液を多くかけ過ぎると、下面が不潔になるので注意する。
4.ブレード等で輪部から3mm位の部位の結膜を取り除くように掻爬する。なるべくブレードの刃全体を使うよう、先端から使い始め、一周で後端に来るように行う。
もう一本のブレードで強膜を穿孔する。この際に、uveaを穿孔しないように充分注意して行う。万が一穿孔し硝子体が出た場合には、ガーゼによりできるだけ眼球の形態を保つように保持し、角膜が変形して内皮にダメージを与えないよう注意する。
5.剪刃で強膜を切開する。3時から侵入し眼球を回転させながら、剪刃の侵入部が3時を維持するように行う。内部の刃が強膜をやや外側に押し続けるように操作するとuveaが穿孔しにくい。刃の先端まで使うと、振動により角膜に影響を与える為、剪刃の中央部の刃のみを使用するように心がける。輪部が小さすぎると保存瓶の爪に掛からない場合もあるので、2mm程度の輪部は必ず残すように全周を切開する。
6.全周を切開したら、低い位置より角膜鑷子で輪部を保持し、直のスパーテルでuveaの中心部を軽く下方に撫でる。スパーテルの触れる部分が角膜鑷子の中央部分を維持することで、角膜の変形を防ぐ。虹彩炎後等で癒着が強い場合でも、無理なテンションをかけて穿孔したり角膜を変形させたり、内皮側にダメージを与える事のないよう注意する。一箇所の毛様体が脱落した瞬間に角膜中央部に空気が入るので、その部分から回転して連続的に剥離していく。
7.全周の毛様体が脱落したらViewingChamberRに強角膜保存液を入れてから、角膜鑷子で角膜輪部を持ち、中央部の固定器具の上に上皮側を下向きに置く。内皮側にも保存液が来るように注意する。蓋を固く閉めたら、密閉シールを装着しドライヤーで軽く熱して封印する。最後に水晶体が報告通りの状態であるかを確認する。